意味不明
説明不足ではない。説明されるべき時間が、まだ来ていない。
意味がわからない? それで正しい。
君はまだ、何を忘れてきたのかさえ知らない。
最初に見えるのは、説明の足りない出来事と、意味のわからない会話ばかりだ。 だが、そこで検索してはいけない。原因を知らず、結果だけを観測する時間も、この物語の一部だから。
説明不足ではない。説明されるべき時間が、まだ来ていない。
その居心地の悪さを覚えておけ。後で、別の感情へ変換される。
何も起きない時間ほど、失ったときに大きな意味を持つ。
オタクノリが合わない? 主人公が痛々しい? その感想を捨てなくていい。 むしろ大事に持っていけ。物語は後で、君自身が下した評価までひっくり返す。
3章あたりで「つまらない」と思っても正常だ。すぐには味がしない。癖も強い。 だが、噛み続けるほど味が出る。やがて、その臭さまで愛着に変わる。
序盤だけを時価評価するな。まだ価値が確定する観測点へ到達していない。
序盤で積み立てた退屈、不安、違和感、痛々しさ。それらは消費ではない。 中盤以降、愛着・恐怖・理解・感動へ変換され、一気に価値を持ち始める。
この作品で一番貴重なのは、初見の混乱そのものだ。一度意味を知れば、同じ無知には戻れない。 だから最初の一回だけは、できるだけ守ってほしい。
固有名詞は全部覚えなくていい。今は「何かが起きている」で十分。
意味不明な台詞も、妙な景色も、忘れて構わない。作品の方が思い出させる。
うざい会話も、くだらない時間も、後で取り戻せない観測記録になる。
この作品は、
第1話の自分自身まで
伏線として回収する。
今は、この文章の意味も分からなくていい。最後まで観測したとき、最初の画面へ戻ってきてほしい。 そのとき、この言葉は初めて完成する。